パーソナルトレーナーは、トレーニングで実りある成果を上げるために欠かせない、重要なパートナーです。トレーナーの的確な指導とサポートによって、効率よく、安全に目標に近づくことができます。
しかし実は、トレーナー間で能力の差が大きいのも事実。トレーナー選びを間違えると、効果が得られないばかりか、モチベーションの低下、場合によってはケガなどにつながるリスクもあります。信頼できるトレーナーと出会えるか否かは、トレーニングの成否を左右する重要な要素の一つと言えるでしょう。
ここでは失敗しないパーソナルトレーナーの選び方について解説します。
トレーナー選びで絶対に押さえたい基本のポイント
最初に、トレーナー選びでまず確認しておくべき基本的なポイントをご紹介します。これらは、トレーナーを選ぶ際に必ずチェックしていただきたい重要な要素です。
トレーナーの資格を持っているか?
パーソナルトレーナーは法律で定義された資格がなく、無資格でも業務を行えます。しかし一方で、適切な食事や運動の指導を行うためには、専門的な知識や指導技術が求められます。
十分な知識や技術を有しているかどうかの目安の一つになるのが、トレーニングやフィットネスに関する、さまざまな資格です。
以下に、パーソナルトレーナーの業務に関わる代表的な資格を挙げます。これらの資格を保有しているトレーナーは、一定水準の知識や技術を持っていると考えてよいでしょう。
資格 | 内容 |
NESTA-PFT | アメリカのNESTA(National Exercise & Sports Trainers Association)が認定するパーソナルトレーナー資格 トレーニング科学、栄養学、運動生理学、ビジネススキルなど、幅広い知識と技術の習得が求められる |
NSCA-CPT | アメリカのNSCA(National Strength and Conditioning Association)が認定するパーソナルトレーナー資格 アスリートだけでなく、一般の人にもトレーニング指導を行うことができる |
NSCA-CSCS | アメリカのNSCAが認定する資格 この資格を持つトレーナーは、アスリートのパフォーマンス向上を目的とした指導を得意とする |
JATI-ATI | 日本トレーニング指導者協会(JATI)が提供する上級トレーニング指導者の資格 運動生理学やトレーニング理論に基づき、個々人に応じたフィットネスプログラムを作成・指導するスキルがある |
JSPO-AT | 日本スポーツ協会が認定するアスレティックトレーナー資格 スポーツ現場での応急処置、リハビリテーション、スポーツ外傷予防などに関する専門知識がある |
健康運動指導士 | 中高年や生活習慣病予防を目的にトレーニングに取り組む人々に、健康づくりのための運動プログラムを指導できる 運動生理学、健康科学、栄養学などに精通しており、個々の健康状態に合わせた運動指導が可能 |
この他、国家資格である理学療法士(リハビリテーションの専門職)や柔道整復師(主にケガの治療に携わる医療技術職)の資格を持つトレーナーもいます。こうした医療系資格を持つトレーナーは、体の痛みや不調の改善に役立つトレーニング指導や施術を得意にしていることが多いです。
トレーナーの専門分野と自分の目標が合っているか?
トレーナーの過去の実績も重要なチェックポイントです。これまでにどのような利用者をサポートしてきたのか、成功事例があるかも確認されると良いでしょう。
というのも、トレーナーにもそれぞれの得意分野があります。減量の指導が得意な人もいれば、筋肉を増大させるバルクアップの指導が得意な人、マッサージなどの手技も加えたコンディション管理が得意な人もいる、といった具合です。
ジムのHPなどをよくチェックして、そのジムやトレーナーがどんな指導を得意にしているのか、それが自分の目的に見合っているかどうかを検討されるとよいでしょう。
話がわかりやすいか? 相性は良いか?
トレーニングで成果を出すために最も大切なことは「継続」です。
そのため、トレーナーとの相性も非常に重要になります。コミュニケーションがスムーズで、トレーナーとのやり取りが楽しく感じられるか? こうした点が継続に大きく影響します。
初回カウンセリングや体験セッションを通じて、トレーナーの説明がわかりやすいか、質問に対して的確な答えが返ってくるか、一緒にいて楽しいか、といった点に注目してみると良いでしょう。
担当トレーナーは選任か? 変動するか?
ずっと同じトレーナーがつく選任制か、行く日によって変わる変動制かは、ジムによって異なります。それぞれにメリット、デメリットがあります。
一般には、選任制で同じトレーナーがついたほうが一貫性のある指導になります。利用者の得意・不得意やコンディションをしっかりと把握して、トレーニングを調整してもらえるなどのメリットがあります。しかし一方で、トレーナーとの相性がよくないと、モチベーションが保てなくなるという懸念もあります。
反対に変動制では、複数のトレーナーから指導を受けられるので、そのつど新鮮で、飽きずに続けられるかもしれません。一方で、トレーナーが変わることで指導に一貫性がなくなる、関係性をうまく構築できない、といった懸念もあります。
こうしたメリット、デメリットを考慮の上、自分に合いそうなほうを選ぶのがいいでしょう。
カウンセリングでぜひ聞いておきたい質問
基本的なポイントを押さえた後は、実際にジムに出向き、カウンセリングや体験トレーニングの場で積極的に質問して、感触を確認してみましょう。
そうは言っても「何をどう聞けばいいの?」と思われるかもしれません。
そのようなかたは、次のような質問をしてみてください。
質問 | 質問の意図 |
1.「私の目標に対して、どのようなプランで指導を進めますか?」 | 自分の目標に対してトレーナーが具体的な計画を持っているかを確認し、適切なサポートが受けられるか判断します。 |
2.「指導は励まし型ですか、厳しく指導するスタイルですか?」 | ほめられ励まされることで頑張れるタイプ、叱咤激励に奮起するタイプ、人それぞれかと思います。トレーナーの指導スタイルが自分に合うかを見極めましょう。 |
3.「食事やライフスタイルについて相談できますか?」 | トレーニング以外の知識がどれほどあるか、総合的なサポートを期待できるかといった点を確認する意図です。 |
4.「これまで指導した中で、私のような目標を達成した利用者はいますか?」 | 自分と似た目標を持つ利用者の成功事例を知り、トレーナーの実績や信頼性を確認します。 |
5.「スケジュールの変更やプランの調整はどの程度対応可能ですか?」 | 生活状況や予定の変更に合わせて柔軟に対応してもらえるか、スケジュールの融通性を確認します。 |
6.「トレーニング後のフォローや、自分でトレーニングを続けるためのアドバイスはありますか?」 | トレーニング終了後も自分で継続できる知識やサポートが提供されるか確認するための質問です。 |
7.「ジムやトレーナーの清潔さや衛生管理についてはどのように取り組んでいますか?」 | ジムやトレーナーの清潔感や衛生管理が徹底されているかを確認し、快適な環境でトレーニングができるかの判断材料にします。 |
8.「自分の意見やフィードバックをどう反映してくれますか?」 | トレーナーが自分の意見を尊重し、二人三脚で進めてくれるか確認します。 |
9.「提案の根拠は何に基づいていますか?」 | トレーナーのアドバイスが科学的な根拠に基づいているか、信頼性の高い指導がされているかを確認します。 |
10.「ご自身もトレーニングや食事管理をどのようにされていますか?」 | トレーナー自身が自己管理できているか、説得力のあるアドバイスをしているかを確認します。 |
クチコミや評判も確認しておく!
最後に、他の利用者の意見も参考にすると良いでしょう。
ネットのクチコミやレビューをチェック
ネット上のクチコミやレビューは、実際にそのトレーナーを利用した人々の率直な意見を知るための有力な情報源です。ただし、クチコミをそのまま鵜呑みにするのは危険です。複数の情報を参考にし、極端な意見には注意しましょう。
友人や知人の紹介を活用
信頼できる友人や知人からの紹介は、トレーナー選びの安心材料となります。実際にトレーナーを利用した人からの生の声を聞けば、より納得感のある選択ができるはずです。
トレーナー選びで失敗しないための7つのチェックポイント
以上を踏まえて、パーソナルトレーナーを選ぶ際に押さえておきたいチェックポイントをリストアップしました。トレーナー選びで失敗しないために、ぜひご活用ください。
- トレーナーの専門分野は自分の目標に合っているか?
- トレーナーの資格と実績はどうか?
- トレーナーとの相性やコミュニケーション能力に不安はないか?
- トレーナーは専任か? 変動か?
- カウンセリングで納得のいく回答が得られたか?
- 契約条件や長期的な継続性に問題がないか?
- クチコミや友人の評価を見て信頼に値するか?
良いパーソナルトレーナーを見つけることは、目標達成への第一歩です。この記事で紹介したポイントやチェックリストを活用して、あなたに最適なトレーナーを選び、理想の体型や健康を手に入れましょう。
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